黄斑前膜とは
黄斑前膜(おうはんぜんまく)は、光を感じるフィルムの役割をしている網膜の中でも最も重要な黄斑に線維性の膜が張る病気です。
特発性は50歳以降の中高年の方に発症し、有病率は4%前後です。続発性はぶどう膜炎や網膜裂孔に対するレーザー治療後、眼科手術後に発生するものです。
黄斑前膜の症状
- 物がゆがんで見える(変視症)
- みえにくい(視力低下)
治療
手術の明確な時期はありませんが、変視症などの自覚症状の他、OCT(光干渉断層計)で黄斑前膜の牽引により網膜の中心部(中心窩)の陥凹(へこみ)がなくなってきたり、網膜の神経構造に影響の出ているケースが手術適応と言われています。
治療は硝子体手術により黄斑部の膜をはぎ取ります。
眼の中の硝子体を切除した後、網膜の上に張った薄い膜を専用の鑷子でほかの組織に侵襲がないように慎重に剥がします。
術後は、瞳孔機能がマヒするお薬が入ること、網膜の真ん中の手術侵襲のためしばらくみにくい期間がありますが、徐々に回復していきます。
術前から歪みが強くある場合は、視力は向上しますが、歪みは完全には治りません。
手術をすることで歪みが悪化していく事を食い止めることができるため、比較的早期に手術施行をすることで、眼の機能を維持していくことが可能となります。